英語学習者の多くの人が、なかなかスラスラと英文を
読めるようにならない理由の一つは、
●たくさんの英文法を(同じ重要度で)覚えようとする●
事にあると思います。
人間の脳にも能力にも限界がありますし、そもそも、瑣末な「トリビアクイズ」
的なことは覚えなくても良いとすら僕は考えています。
かの夏目漱石も、英語教師時代に、学生たちがあまりにも英語学習に時間を
かけすぎるのを不思議に思っていたとかいないとか。
では、英文を理解して行く上で、最重要の英文法とは何なのか?
英語の基本はS(主語)+V(動詞)
(Subject 主語, Verb 動詞)
英語の基本はS(主語)+V(動詞)
~~S~~ は ~~V~~する
~~S~~ が ~~V~~する
これが全てと言っても良いかもしれません。
あるいは、英文理解の「基本のき」。土台中の土台。
英語を読めるようになるために最も重要な事。
英語の基本はS(主語)+V(動詞)
これを頭で覚えて、実際に文章を読んでいく際に、そこに焦点を
当てて読み、それをひたすら繰り返す事で、体に染み付いていきます。
もちろん、現実に使われる英語の中には、例外はたくさんありますが、
例えば大学入試の英語などでは、あまりにも基本から逸脱したものは
出ませんので、やはり基本がもっとも大事です。
例文)
Spring has come.
春が来た(春になった)。
日本語は、「春ですね~」とか「春だな」とか、主語をはっきり
させない傾向がある言語です。
一方、英語は、主語(S)を必ずはっきりとさせて、そこから
順番に文章を作っていくという特徴があります。
英語は何らかの主語(S)を使わないと文になりづらいです。
英作文でも英会話でも何でも同じです。
何を当たり前な?
と思いましたか?
それならばそれで良いと思います。
逆に、え、そうなの? と思った方は、それを腹の底から
納得できるまで、この記事を何度も読み返すことをオスス
メします。
5文型すべてを同じように覚えようとするな!
英語の基本はS(主語)+V(動詞)
これをもう少しだけ説明すると、
いわゆる「5文型」の中の骨格部分がS+Vです。
第1文型 S+V
第2文型 S+V+C
第3文型 S+V+O
第4文型 S+V+O+O
第5文型 S+V+O+C
この5つは確かに大事ですし、英語の5文型を完璧に習得すれば、
当然、複雑な英文でも、より正確に理解できるでしょう。
でも、大変じゃないですか?
というか、すべてを同じ重要度で覚えようとするのは、
少し無駄じゃないですか?
もう一度、「5文型」を見てみましょう。
第1文型 S+V
第2文型 S+V+C
第3文型 S+V+O
第4文型 S+V+O+O
第5文型 S+V+O+C
そうです、5つの文型全てに共通するのは、
S+V
です。
(多少乱暴ではありますが)S+Vの無い英文はほとんど
存在しません。もちろん例外はありますが、英語という言語の
基本は、
主語Sがあって、次に動詞Vがくる
これです。
極めて大事な事なので、もう一度言い方を変えて書きます。
英語という言語は、
1 主語Sがあって、次に動詞Vがくる
2 順番も、先にS主語、次にV動詞(英語は語順の言語)
です。
このシンプルな原則が、最も大事な英語の基本です。
このブログではこの事を、書き方を変え、例を変え、
何度も何度も言っています。
ですので、5文型全てを完璧に覚える前に、まずは、
英語の基本はS(主語)+V(動詞)
ということを頭と体に覚えこませましょう。
S+V以外のM(修飾語)は無視しろ!
5文型と言うのは、いわゆる英文の骨組みになります。
骨組みですから、それに色々な肉付けが施されています。
その肉付け部分が付くと、複雑になるので、
「英語が分からない」
という事になってしまいがちです。
5文型を構成するS/V/O/C以外の部分は
修飾語句(M、Modifier)と言われます。
いわゆる「付属品」です。
そして、5文型を理解する際にもよく言われますが、
SVOC以外のM部分を、すべて「 」でくくって
考えると、複雑な英文が骨組みだけになって分かりやすく
なります。
が、このブログでは、
英語をシンプルに
と言っているので、もっとシンプルにする事を提唱します。
(最初のうちはという条件付ですが)
S+V以外の所はしょせんすべて「付属品」です。
ですので、
S+V以外のM(修飾語)は無視しろ!
と言い切らせてもらいます。
逆に言うと、その文章のS主語とV動詞を見つけられれば、
7~8割は理解できたと考えて大丈夫です。
こうなると、どこに精神を集中するかが分かってきた
気がしませんか?
そうです、主語と動詞です!
それ以外のM修飾語句は「 」に入れてしまいましょう。
英語における主語と動詞の重要度を理解したうえで、英文を
以下の二つに分けると、より分かりやすくなります。
__________________________________
(この部分に関しては、別の記事
「英語の文型は大きく二つに分けられる;A=B or A→B;英文法講義2」
があるので、ここでは簡単にまとめます)
(ほとんどの)英文は次の二つのどちらかと考える
事で理解が早まります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1 A=B
●●●(S主語)はorが×××である
I am a student. 私=学生
2 A→B
●●●(S主語)はorが×××(を~~)する
I read a book. 私→読む(本を)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という構造からできているという事です。
当たり前と言えば当たり前ですが、多くの人がなかなか英語を
読めるようにならない理由の一つは、
S+V以外のゴチャゴチャとした部分で頭がこんがらがる
からだと思います。
英文は、
1 A=B
I am a student. 私は=学生
2 A→B
I read a book. 私は→読む(本を)
の二つに大別できる!
という具体的な事を、やや抽象的に言い換えると、
英語はシンプルに考えろ!
という事になります。
シンプルに考えないと(から)、大量の情報に流されて、どこに向かって
いるのかすら分からなくなり、結果として「英語が分からない」というこ
とになる、というのが英語を苦手にする一つのパターンです。
では、それを踏まえた上で、再度具体的にどのようにしていけば良いのでしょうか?
(この「具体」と「抽象」を行ったりきたりするのは、英語に限らず、学習
能力を上げていく基本になります)
________________________________________
主語Sを探せ!→動詞Vを探せ!
英語の基本はS(主語)+V(動詞)
である以上、
英文を理解するには、まず
1 S(主語)(~~は、~~が)を探すのが大事です。
ですが、それよりも大事・楽なのは
2 V(動詞) (~~である)を探す事です。
主語は一語とは限らないので、探しづらいこともありますが、
動詞は主語よりは探しやすいです。
主語Sと動詞Vが分かれば、英文の8~9割は分かった
と言って良いでしょう?
そういった意味では、英語は前から読むべきだと僕は考えています。
後ろから訳すときれいにはなるかもしれませんが、文意をスムーズに
とるためには、SとVを意識しながら前から訳したほうがいいでしょう。
英文理解の順番
1 その文章のV(動詞)を探す
2 (必ずVよりも前にある)S(主語)を探す
3 それ以外は、すべて付属品
4 前から訳す